---------------------------------------------------------------------- Microsoft Windows 95 README:MS-DOS デバイス ドライバ 1995 年 11 月 ---------------------------------------------------------------------- (c) Copyright Microsoft Corporation, 1995 このファイルでは、Microsoft Windows 95 のマニュアルやオンライン ヘルプに記 述されていない追加情報や最新情報について説明しています。 このファイルの読み方 ---------------------- メモ帳を使って画面でこのファイルを読むときは、メモ帳のウィンドウを最大化す ると読みやすくなります。 このファイルを印刷するには、メモ帳またはほかのワード プロセッサでファイルを 開き、[ファイル] メニューの [印刷] をクリックしてください。 書式の小文字の部分は、ユーザーが指定するパラメータを表します。大文字の部分 は、表記のとおりに入力する必要があります。 注: MS-DOS コマンドに関するヘルプ情報は、CONFIG.TXT ファイルにもあります。 また、コマンド プロンプトで、次の例のようにコマンド名に続けてスラッシュと疑 問符 (/?) を入力すると、そのコマンドのヘルプが表示されます。 CHKDSK /? 目次 ==== DBLBUFF.SYS DRVSPACE.SYS、DBLSPACE.SYS EMM386.EXE HIMEM.SYS RAMDRIVE.SYS SETVER.EXE LABEL DOSKEY EXTRACT EDIT MEM SCANDISK SHARE XCOPY DBLBUFF.SYS -- ダブル バッファリング ==================================== ダブル バッファリングを行うために DBLBUFF.SYS デバイス ドライバを読み込みま す。ハード ディスク コントローラの中には、386 エンハンス モードで実行され ている Windows または EMM386 により作られるメモリでは正常に動作しないものが ありますが、ダブル バッファリング機能を使うとこのような互換性に関する問題が 解決できます。 Windows のセットアップ プログラムでは、セットアップ時のシステム診断でダブル バッファリングの必要性が検出されると、MSDOS.SYS の [Options] セクションに "DoubleBuffer=1" エントリを追加し、DBLBUFF.SYS が自動的に読み込まれるように します。DBLBUFF.SYS の読み込みを手作業で行うには、"DoubleBuffer=1" エントリ を MSDOS.SYS に追加するか、または以下の書式に示される形で DEVICE コマンドを CONFIG.SYS ファイルに追加します。 書式 DEVICE=[drive:][path]DBLBUFF.SYS [/D+] パラメータ [drive:][path] DBLBUFF.SYS ファイルの保存されている場所を指定します。 /D+ このスイッチを指定すると、すべてのディスク I/O が常にダブル バッファリ ングされるようになります。標準では、UMB への I/O しかダブル バッファリ ングされず、システムにより不必要と判断されるとダブル バッファリングは自 動的に停止するようになっています。 DRVSPACE.SYS、DBLSPACE.SYS ========================== DRVSPACE.BIN または DBLSPACE.BIN の最終的なメモリでの位置を決めます。この DRVSPACE.BIN、DBLSPACE.BIN は MS-DOS の一部で、圧縮ドライブにアクセスできる ようになります。 DxxSPACE.SYS は、リアル モード ドライバを上位メモリ ブロックに読み込みます。 これにより、Windows 95 をリアル モードで実行している場合は 60 KB のコンベン ショナル メモリを節約することができ、Microsoft Plus! for Windows を使ってい る場合は 100 KB 以上のコンベンショナル メモリを節約することができます。 コンピュータを起動すると Windows は、CONFIG.SYS および AUTOEXEC.BAT のコマ ンドを実行する前に、オペレーティング システムが提供するほかの機能と一緒に DRVSPACE.BIN または DBLSPACE.BIN をメモリに読み込みます。DxxSPACE.BIN は、 上位メモリへアクセスできるようにするデバイス ドライバよりも先に読み込まれる ため、いったんコンベンショナル メモリに読み込まれます。 DriveSpace または DoubleSpace を使って圧縮ドライブを作成すると、CONFIG.SYS ファイルに DxxSPACE.SYS のコマンドが自動的に追加されます。 次の書式の DxxSPACE の場所には、使用するプログラムのファイル名を指定してく ださい。 書式 DEVICE=[drive:][path]DxxSPACE.SYS /MOVE [/NOHMA] [/LOW] DEVICEHIGH=[drive:][path]DxxSPACE.SYS /MOVE [/NOHMA] [/LOW] スイッチ /MOVE DxxSPACE.BIN をメモリでの最終的な位置へ移動します。 DxxSPACE.BIN は、いったんコンベンショナル メモリの最上位に読み込まれま す。その後、CONFIG.SYS ファイルに記述されているコマンドがすべて実行され ると、DxxSPACE.BIN はコンベンショナル メモリの最下位に移動します。 DxxSPACE.SYS の読み込みに DEVICE コマンドが使われている場合、 DxxSPACE.BIN はコンベンショナル メモリの最上位から最下位に移動されます。 これによって、CONFIG.SYS ファイルから読み込まれるコンベンショナル メモ リの最上位へのアクセスを要求するプログラムとの衝突を回避できます。 DxxSPACE.SYS の読み込みに DEVICEHIGH コマンドが使われている場合、上位メ モリが使用できるときには、DxxSPACE.BIN は上位メモリに移動されます。 DxxSPACE.BIN を上位メモリに移動すると、より多くのコンベンショナル メモ リが確保できます。 /NOHMA DxxSPACE.SYS の一部をハイメモリ領域 (HMA) に移動しないようにします。 MS-DOS が HMA に読み込まれている場合、HMA に十分な空き領域があれば、 DxxSPACE.SYS は DxxSPACE.BIN の一部を HMA に移動します。DxxSPACE.BIN で HMA が使われないようにする場合に、このスイッチを指定してください。 /LOW DxxSPACE.SYS がコンベンショナル メモリの最上位に読み込まれないようにし ます。DriveSpace、DoubleSpace に対応してしない MS-DOS ベースのプログラ ムがコンベンショナル メモリの最上位にある場合は、このスイッチを指定して ください。ただし、このスイッチを指定すると、Windows は DxxSPACE.SYS が 占有しているメモリを再使用できなくなります。 パラメータ [drive:][path] DxxSPACE.SYS の保存されている場所を指定します。 EMM386.EXE ========== 上位メモリ領域へアクセスできるようにし、拡張メモリで EMS メモリをエミュレー トします。このデバイス ドライバは、CONFIG.SYS ファイルで DEVICE コマンドを 使って読み込む必要があります。また、80386 以上の CPU を持つコンピュータだけ で使用できます。 EMM386 は、EMS メモリを使用できるプログラムのために、拡張メモリで EMS メモ リをエミュレートします。また、EMM386 を使うと、プログラムおよびデバイス ド ライバを上位メモリ ブロック (UMB) に読み込めるようになります。 書式 DEVICE=[drive:][path]EMM386.EXE [ON|OFF|AUTO] [memory] [MIN=size] [Mx|FRAME=address|/Pmmmm] [Pn=address] [X=mmmm-nnnn] [I=mmmm-nnnn] [B=address] [L=minXMS] [A=altregs] [H=handles] [D=nnn] [RAM=mmmm-nnnn] [NOEMS] [HIGHSCAN] [VERBOSE] [WIN=mmmm-nnnn] [NOHI] [ROM=mmmm-nnnn] [NOMOVEXBDA] [ALTBOOT] [NOBACKFILL] パラメータ [drive:][path] EMM386.EXE ファイルの保存されている場所を指定します。 [ON|OFF|AUTO] ON を指定すると EMM386 ドライバはアクティブになり、OFF を指定すると EMM386 ドライバの動作は停止し、AUTO を指定すると EMM386 ドライバはオー ト モードで動作します。オート モードにすると、プログラムが EMS メモリを 要求したときにだけ、EMS メモリと上位メモリ ブロックがサポートされるよう になります。標準では ON です。EMM386 コマンドは、EMM386 が起動された後 にこの値を変えるときに使います。 memory EMM386 で EMSメモリとして割り当てる拡張メモリの最大の容量を KB 単位で指 定します。ここで指定した容量は、UMB および EMM386 自体が使うメモリのほか に確保されます。memory に指定できる値は、64 から 32768 までの整数、また は 64 から EMM386 がメモリに読み込まれたときに使用できる拡張メモリの容量 までです。標準では、使用できる拡張メモリの容量が割り当てられます。NOEMS スイッチが指定されている場合の標準値は 0 です。memory で指定した値は、最 も近い 16 の倍数に切り捨てられます。 スイッチ MIN=size 使用できるメモリ容量の範囲で、EMM386 が提供する EMS メモリの最小容量を KB 単位で指定します。CONFIG.SYS の DEVICE=EMM386.EXE コマンドが実行され た時点で、ここで指定した容量の拡張メモリが EMS メモリとして確保されます。 プログラムが EMS メモリを要求したときに十分な XMS メモリがあれば、 EMM386 はパラメータ MEMORY で指定された容量を限度に追加の EMS メモリを供 給できます。size には、0 からパラメータ MEMORY で指定した値までを指定でき ます。標準値は 256 です。NOEMS スイッチが指定されている場合の標準値は 0 です。MIN の値が MEMORY の値よりも大きい場合は、MIN の値が使われることに なります。 Mx ページ フレームのアドレスを指定します。x に指定できる有効な値の範囲は 1 〜 14 です。それぞれの値と値に関連付けられているベース アドレスを 16 進数で示したものを、次の表に示します。 1 => C000h 8 => DC00h 2 => C400h 9 => E000h 3 => C800h 10 => 8000h 4 => CC00h 11 => 8400h 5 => D000h 12 => 8800h 6 => D400h 13 => 8C00h 7 => D800h 14 => 9000h 10 〜 14 は、コンベンショナル メモリが 512 KB のコンピュータだけで使用 できます。 FRAME=address ページ フレームのベース アドレスを直接指定します。ページ フレームに対し 特定のベース アドレスを指定するには、FRAME スイッチを使用し、目的のアド レスを指定します。address で指定できる有効な値は 400H おきに、8000H 〜 9000H と C000H 〜 E000H の範囲です。EMS メモリを確保すると同時に、ペー ジ フレームを無効にするには、FRAME=NONE と指定します。しかし、これによ り EMS メモリが必要なプログラムが正しく動作しなくなることがあります。 /Pmmmm ページ フレームのアドレスを指定します。mmmm には、8000H 〜 9000H および C000H 〜 E000H の範囲の値を 400H 単位で指定できます。 Pn=address 特定のページのセグメント アドレスを指定します。n にはページ番号を指定し、 address にはセグメント アドレスを指定します。n の値の有効範囲は 0 〜 255 です。address には、8000H 〜9C00H および C000H 〜 EC00H の範囲の値 を 400H 単位で指定できます。LIM EMS (Lotus/Intel/Microsoft Expanded Memory Specification) バージョン 3.2 との互換性を保つため、ページ 0 〜 3 のアドレスは連続している必要があります。Mx、FRAME、/Pmmmm のいずれか のスイッチを指定すると、/Pmmmm に対してページ 0 〜 3 のアドレスを指定で きなくなります。 X=mmmm-nnnn EMS ページまたは UMB で、特定の範囲のセグメント アドレスが使われないよ うにします。mmmm と nnnn には A000H 〜 FFFFH の範囲の値を指定することが できますが、指定した値は最も近い 4KB 境界に切り捨てられます。X スイッチ と I スイッチの 2 つの範囲が重なった場合は、X スイッチが優先されます。 I=mmmm-nnnn EMS ページまたは UMB で使われるセグメント アドレスの範囲を指定します。 mmmm と nnnn には A000H 〜 FFFFH の範囲の値を指定することができますが、 指定した値は最も近い 4 KB 境界に切り捨てられます。X スイッチと I スイッ チの 2 つの範囲が重なった場合は、X スイッチが優先されます。 B=address EMS の「バンキング」(16KB ページのスワッピング) に使用できる最下位セグ メント アドレスを指定します。address には 1000H 〜 4000H の範囲の値を指 定できます。標準値は 4000H です。 l=minXMS EMM386 が読み込まれた後に、確保する拡張メモリの容量を KB 単位で指定しま す。標準値は 0 です。 A=altregs EMM386 に割り当てる高速代替レジスタ セット (マルチタスクで使われます) の数を指定します。0 〜 254 の範囲で値を指定できます。標準値は 7 です。 代替レジスタ セットを 1 つ割り当てるごとに、EMM386 のメモリ サイズが 約 200 バイト増えます。 H=handles EMM386 が使用できるハンドルの数を指定します。2 〜 255 の範囲で値を指定 できます。標準値は 64 です。 D=nnn バッファを使った DMA (ダイレクト メモリ アクセス) のために予約するメモ リの容量を KB 単位で指定します。まずフロッピー ディスク DMA を考慮し、 EMM386 がアクティブなときに発生する最大の DMA 転送を反映した値を指定す る必要があります。nnn には 16 〜 256 の範囲の値を指定できます。標準値は 32 です。 RAM=mmmm-nnnn UMB のために使うセグメント アドレスの範囲を指定し、同時に EMS のサポー トを有効にします。範囲を指定しないと、(メモリ) アダプタで使用できるすべ てのメモリを使って、UMB と EMS に対するページ フレームが作られます。 NOEMS 上位メモリ領域へアクセスできるようにしますが、EMS メモリへアクセスでき ないようにします。 HIGHSCAN UMB または EMS ウィンドウとして使う上位メモリが使用できるかどうかをチェッ クするように指定します。コンピュータによっては、このスイッチを指定して も何の効果もない場合や、上位メモリ領域がないのに使用できるかのように応 答することがあります。その結果、コンピュータが動作しなくなることもあり ます。 VERBOSE EMM386 がメモリに読み込まれるときに、その状態やエラーについてのメッセー ジが表示されるようにします。このスイッチを指定しない場合には、エラーが 発生したときにだけメッセージが表示されます。VERBOSE スイッチは V と短縮 して指定することもできます。VERBOSE スイッチを指定せずにステータス メッ セージを表示させたい場合は、EMM386 が起動してメモリに読み込まれる間 Alt キーを押し続けます。 WIN=mmmm-nnnn EMM386 用ではなく、Windows 用に予約するセグメント アドレスの範囲を指定 します。mmmm と nnnn に指定できる有効な値の範囲は A000H 〜 FFFFH で、指 定した値は最も近い 4 KB 境界に切り捨てられます。X スイッチと WIN スイッ チの 2 つの範囲が重なった場合は、X スイッチが優先されます。また、WIN、 RAM、ROM、I の各スイッチの範囲が重なった場合は、WIN スイッチが優先され ます。 [NOHI] このスイッチを指定すると、EMM386 が上位メモリ領域に読み込まれなくなりま す。通常は、EMM386 の一部が上位メモリに読み込まれます。このスイッチを指 定すると、使用できるコンベンショナル メモリが減り、UMB のために使用でき る上位メモリ領域が増えます。 [ROM=mmmm-nnnn] シャドウ RAM (ROM として使われる RAM) 用に確保するセグメント アドレスの 範囲を指定します。mmmm と nnnn に指定できる有効な値の範囲は A000H 〜 FFFFH で、指定した値は最も近い 4 KB 境界に切り捨てられます。シャドウ RAM がないシステムでこのスイッチを指定するとシステムの処理速度が向上する場 合があります。 [NOMOVEXBDA] このスイッチを指定すると、拡張 BIOS のデータをコンベンショナル メモリか ら上位メモリに移動しないようになります。 [ALTBOOT] このスイッチを指定すると、Ctrl+Alt+Del キーが押されたときに代替ハンドラ を使ってコンピュータを再起動するようになります。EMM386 がメモリに読み込 まれた後で Ctrl+Alt+Del キーを押したときに、コンピュータが動作しなくなっ たり、異常な動作を行うときにだけ、このスイッチを指定してください。 [NOBACKFILL] NOEMS スイッチまたは RAM によって上位メモリ ブロックを供給するように EMM386 が設定されていると、コンベンショナル メモリが 640 KB 未満しかな い場合、EMM386 は自動的にコンベンショナル メモリを補填して、コンベンショ ナル メモリを合計で 640 KB 確保しようとします。しかし、Windows では補 填されたコンベンショナル メモリをサポートしないため、コンピュータに搭載 されているコンベンショナル メモリが 640 KB 未満しかない場合は、この NOBACKFILL スイッチを使ってください。 HIMEM.SYS ========= HIMEM は、ハイメモリ領域 (HMA) を含む拡張メモリの使用を管理するプログラムで、 複数のプログラムまたはデバイス ドライバが同時に同じメモリ領域にアクセスする ことを防止します。 HIMEM を組み込むには、CONFIG.SYS ファイルで DEVICE コマンドを使って HIMEM.SYS を読み込みます。HIMEM.SYS のコマンドラインは、拡張メモリを使うプログラム、 デバイス ドライバを起動するコマンドの前に記述しなければなりません。たとえば、 HIMEM.SYS のコマンドラインは EMM386.EXE のコマンド行より前に記述する必要が あります。 書式 DEVICE=[drive:][path]HIMEM.SYS [/A20CONTROL:ON|OFF] [/CPUCLOCK:ON|OFF] [/HMAMIN=m] [/INT15=xxxx] [/NOABOVE16] [/NUMHANDLES=n] [/SHADOWRAM:ON|OFF] [/TESTMEM:ON|OFF] [/VERBOSE] [/X] たいていの場合、コマンドラインのオプションを指定する必要はありません。 HIMEM.SYS の標準値は、ほとんどのハードウェアで正常に動作するようになってい ます。 パラメータ [drive:][path] HIMEM.SYS ファイルの保存されている場所を指定します。HIMEM.SYS は MS-DOS ファイルと同じドライブに保存されている必要があります。HIMEM.SYS ファイ ルが起動ドライブのルート ディレクトリにある場合は、パスを指定する必要が ありません。しかし、ファイル名 (HIMEM.SYS) は必ず指定してください。 スイッチ /A20CONTROL:ON|OFF HIMEM.SYS がメモリに読み込まれたときに A20 アドレス ラインがオンになっ ているときでも、それを制御するかどうかを指定します。A20 アドレス ライン のハンドラにより、HMA へアクセスできるようになります。/A20CONTROL:OFF スイッチを指定すると、HIMEM.SYS がメモリに読み込まれたときに A20 アドレ ス ラインがオフになっている場合にだけ、その制御が行われます。標準値は /A20CONTROL:ON です。 /CPUCLOCK:ON|OFF HIMEM がコンピュータのクロック速度に影響を及ぼすかどうかを指定します。 HIMEM を組み込むとコンピュータのクロック速度が変わる場合は、/CPUCLOCK:ON を指定すると、問題を解決できる場合があります。しかし、これを指定すると HIMEM 自体の速度が低下します。標準では /CPUCLOCK:OFF です。 /HMAMIN=m プログラムが HMA の使用権を得るために HIMEM に対して最低限要求しなけれ ばならないメモリ容量を KB 単位で指定します。HMA を使用できるプログラム は一度に 1 つだけです。このオプションで指定されたメモリ量を最初に要求し たプログラムに対して HIMEM は HMA を割り当てます。m に指定できる有効な 値の範囲は 0 〜 63 です。 /HMAMIN には、HMA を最も多く使うプログラムが要求するメモリ量を設定して ください。 /HMAMIN オプションは省略できます。標準値は 0 です。このオプションの設定 を省略すると (または 0 を設定すると)、プログラムが使う HMA の容量に関係 なく、一番最初に HMA を要求したプログラムに対して HMA が割り当てられるよ うになります。 Windows が 386 エンハンス モードで実行しているときは /HMAMIN オプション は無視されます。 /INT15=xxxx INT 15H インターフェイスのために予約する拡張メモリの量を KB 単位で指定 します。古いアプリケーションの中には、HIMEM によって提供される XMS では なく、INT 15H インターフェイスを使って拡張メモリを確保するものがありま す。この種のアプリケーションを使うときは、アプリケーションで実際に必要 な量よりも最大 64 KB 多く設定すれば、十分なメモリがそのアプリケーション で使用できるようになります。 xxxx には 64 〜 65535 の範囲の値を指定できますが、システムが搭載してい るより多くの量を指定することはできません。64 未満の値を指定すると、自動 的に 0 が設定されます。標準値は 0 です。 /NOABOVE16 これを指定すると、拡張メモリのスキャンに INT 15H (ax==E801H) Compaq Bigmem サポートが使われなくなります。 /NUMHANDLES=n 同時に使用できる拡張メモリ ブロック (EMB) ハンドルの最大数を指定します。 n に指定できる有効な値の範囲は 1 〜 128 です。標準値は 32 です。ハンド ルを 1 つ追加するごとに、6 バイトのメモリが必要となります。 Windows が 386 エンハンス モードで実行しているときは、/NUMHANDLES オプ ションは無視されます。 /SHADOWRAM:ON|OFF SHADOWRAM:OFF を指定すると、シャドウ RAM が無効になります。SHADOWRAM:ON を指定すると、ROM コードが RAM から実行されるようになります。 コンピュータの中には、「シャドウ」という技法により、ROM コードをより高速 な RAM 上で実行する機能を持つものがあります。つまり、コンピュータの起動 時に ROM コードをより高速な RAM にコピーするわけです。この場合には、若 干の拡張メモリが使われることになります。シャドウ RAM を使用し、2 MB 未 満の RAM しか搭載していないコンピュータの場合は、一般的に HIMEM はシャ ドウ RAM を無効にして Windows が使用できる拡張メモリを増やそうとします。 (システムの種類によってはシャドウ RAM を無効にできない場合もあります。) HIMEM によりシャドウ RAM が無効になると、ROM コードは RAM より低速な ROM 上で実行されるため、コンピュータの動作は若干遅くなる場合があります。 /TESTMEM:ON|OFF コンピュータの起動時に HIMEM がメモリをテストするかどうかを指定します。 標準では、コンピュータが起動するたびに HIMEM により拡張メモリの信頼性が 自動的にチェックされます。このテストによって、信頼性の低いメモリを発見 することができます。信頼性の低いメモリを使っていると、システムの動作が 不安定になったり、大切なデータが失われる原因になります。HIMEM では、た いていのコンピュータで起動時に行われるメモリ テストよりもはるかに厳密に メモリをテストします。HIMEM によるメモリ テストが行われないようにするに は、/TESTMEM:OFF を指定します。メモリ テストが行われないようにすると、 コンピュータの起動にかかる時間を短縮できます。標準では /TESTMEM:ON です。 /VERBOSE このスイッチを指定すると、HIMEM がメモリに読み込まれるときに、その状態 やエラーについてのメッセージが表示されるようにします。標準では、エラー が発生したときにだけメッセージが表示されます。/VERBOSE スイッチは /V と 短縮して指定することができます。/VERBOSE スイッチを指定せずにステータス メッセージを表示させたい場合は、HIMEM.SYS が起動してメモリに読み込まれ る間 Alt キーを押し続けます。 /X このスイッチを指定すると、最新の拡張メモリ サポート API である INT 15H (ax==E820H) が使われないようになります。 RAMDRIVE.SYS ============ コンピュータに搭載されている RAM の一部を使い、ハード ディスク ドライブをエ ミュレートします。このデバイス ドライバは、CONFIG.SYS ファイルで DEVICE コ マンドまたは DEVICEHIGH コマンドを使って読み込む必要があります。 コンピュータは、ハード ディスクよりもメモリからの方が、速く情報を読むことが できます。したがって、RAM ディスクはハード ディスクよりも速く動作します。RAM ディスクは、ハード ディスク ドライブとまったく同じように使用できます。実際の ディスク ドライブと RAM ディスクが大きく異なる点は、RAM ディスクは一時的な ものなので、コンピュータの電源をオフにしたり、リセットすると、RAM ドライブ にある情報は失われてしまうことです。RAM ディスクは、コンピュータのメモリ容 量の許す範囲で、必要なだけ設定できます。RAM ディスクをセットアップするには、 RAM ドライブ 1 つごとに 1 行の (RAMDRIVE.SYS ドライバを読み込むための) コマ ンド行を CONFIG.SYS に追加します。 書式 DEVICE=[drive:][path]RAMDRIVE.SYS [DiskSize SectorSize [NumEntries]]] [/E | /A] パラメータ [drive:][path] RAMDRIVE.SYS ファイルの保存されている場所を指定します。 DiskSize RAM ディスク ドライブ用に確保するメモリの容量を KB 単位で指定します。 たとえば、640 KB の RAM ドライブを作成するには、640 と指定します。この 指定を省略すると、64 KB の RAM ドライブが作られます。4 〜 32767 の範囲 の値を指定できますが、システムに搭載されているメモリ容量を超える値を指 定することはできません。 SectorSize ディスクのセクタ サイズをバイト単位で指定します。128、256、または 512 を指定できます。SectorSize に値を指定する場合は、DiskSize にも必ず値を 指定する必要があります。 通常は、標準のセクタ サイズである 512 バイトを指定してください。 NumEntries RAM ドライブのルート ディレクトリに作成できるファイルとディレクトリの最 大数を指定します。2〜1024 までの値を指定できます。ただし、指定した値は、 最も近いセクタ サイズの境界に切り上げられます。RAM ドライブのルート ディ レクトリに、標準で作成できるファイル、およびディレクトリの数は 64 個で す。NumEntries に値を指定する場合は、DiskSize および SectorSize にも必 ず値を指定する必要があります。 指定された容量の RAM ドライブを作成できるメモリ容量がない場合、RAMDrive は、ディレクトリ エントリを 16 個に制限して RAM ディスクを作成しようと 試みます。この結果、RAM ドライブの制限が指定とは異なることがあります。 スイッチ /E RAM ドライブを拡張メモリの中に作成します。 拡張メモリを使って RAM ディスクを作るためには、拡張メモリが使用できるよ うにシステムが構成されている必要があります。また、CONFIG.SYS ファイルで、 拡張メモリ マネージャ (HIMEM.SYS など) を組み込む DEVICE コマンドが、 RAMDRIVE.SYS を組み込む DEVICE コマンドよりも前に記述されていなければな りません。システムに拡張メモリが装備されているときは、できるだけ拡張メ モリを使って RAM ドライブを作ってください。 /A RAM ドライブを EMS メモリの中に作ります。 EMS メモリを使って RAM ドライブを作成するには、システムが EMS メモリを 提供するように構成されていなければなりません。また、CONFIG.SYS ファイル で EMS メモリ マネージャ (EMM386 など) を組み込む DEVICE コマンドが、RAMDRIVE.SYS を組み込む DEVICE コマンドよりも前に記 述されていなければなりません。 SETVER.EXE ========== MS-DOS のバージョン テーブルをメモリに読み込みます。このデバイス ドライバは、 CONFIG.SYS ファイルで DEVICE コマンドまたは DEVICEHIGH コマンドを使って読み 込む必要があります。 SETVER.EXE は、MS-DOS のバージョン テーブルをメモリに読み込みます。このバー ジョン テーブルには、プログラム名とそのプログラムを実行する MS-DOS のバージョ ン番号の一覧が含まれています。 書式 DEVICE=[drive:][path]SETVER.EXE パラメータ [drive:][path] SETVER.EXE ファイルの保存されている場所を指定します。 LABEL ----- MS-DOS プロンプトで動作している場合に、/v オプションおよびボリュームラベル の入力でボリュームラベルを作成できない場合があります。 DOSKEY ------ ・常駐解除のための /R オプションは削除されました。 EXTRACT ------- ・日本語化されていません。 ・PC-98 バージョンの EXTRACT は、日本語バージョンの EXTRACT とバージョン番号が 異なります。 EDIT ---- ・MS 漢字インターフェイスを採用していない IME では、入力できません。また、ATOK7 では、正常に入力できません。 ・オプション(O)-画面の色(C)の設定画面において、背景色(B)を黒に設定しなければ、 前景色(F)の変更はできません。 ・オプション(O)-設定(S)の設定画面において、プリンタポート(P)の設定を PRN に指 定する場合には、MS-DOS 用のプリンタドライバ、 PRINT.SYS を EDIT を実行する 前にインストールしてください。インストールしていない場合には、PRN ポートへ の印刷はできません。 MEM --- 64Mbyte 以上のメモリを実装している場合には、メモリのサイズ表示が正常に表示され ません。 SCANDISK -------- DiskX II がインストールされている環境では使用できません。ディスクの問題を解 決する場合には、DiskX II に付属する TOOL を使用してください。 SHARE ----- 常駐解除のための /R オプションは、削除されました。 XCOPY ----- 32 ビットのコンソールアプリケーションです。MS-DOS プロンプトで実行した場合に は、ウィンドウ内表示となります。また、MS-DOS モードと MS-DOS プロンプトでは、 使用可能なオプションが異なります。